猫の恩返し🐈
猫の恩返し
幼い頃から、我が家にはいつも猫がいた。家族みんな猫が好きで、拾ってきた猫がそのまま家族になる。そんな家だった。
猫がいる暮らしは、可愛くて、癒やされる日々だった。けれど猫は人間ほど長くは生きられない。猫を飼うということは、いつか必ず別れが訪れることを知ることでもある。
猫が好きだからこそ、その別れはとても辛かった。だからある日から、我が家では猫を飼うことが禁止になった。
チーズとの出会い
猫がいなくなって何年か経ったある日、母が子猫を拾ってきた。
仕事の帰り道、同じ場所に何日も居座り、母の後をついて来た子猫だったそうだ。
可哀想に思って、つい拾ってきてしまったのだと母は言っていた。
その子猫を見るなり、姉が激怒した。
「なんで拾ってくるの!」
姉がなぜそこまで怒るのか、その気持ちは何となくわかる気がした。家族の中で一番猫を愛していたのは、実は姉だったから。
猫との別れのたびに、いちばん心を痛めていたのも姉だった。もう、あの思いはしたくなかったのだと思う。
それでも数日経つ頃には、いちばん子猫と仲良くなっていたのは、他でもない姉だった。
真っ白な毛色から、子猫は「チーズ」と名付けられた。
人間不信の猫
チーズは片目が見えず、背中には大きな傷があった。病院に連れて行くと、獣医さんにこう言われた。
「たぶんこの子は、人間に傷つけられたのかもしれませんね。それでストレスで片目が見えなくなったのかもしれません」
そのせいか、チーズは人間嫌いで、懐いたのは姉にだけだった。母には少しだけ体を触らせたが、自分にはほとんど触らせてくれず、無理に触ろうとするとシャーシャーと威嚇して抵抗した。
それでも姉とだけは、いつも仲良しだった。
当時の姉は家に引きこもりがちで、色々あって人間不信になっていた時期だった。チーズと姉は、あの頃きっとお互いに寄り添って生きていたのだと思う。
別れ、そして夢
チーズが家に来て数年後、病気になり亡くなってしまった。
姉はひどく落ち込み、家でも口数が少なくなった。
けれど、亡くなって数日経ったある朝。姉が久しぶりに、明るい声で話しかけてきた。
「たろちん!昨日、夢にチーズが出てきたのよ!『もう泣かないで、悲しまないで』って声をかけてくれたの。私、頑張るわ。チーズのためにも変わらないと!」
その日を境に、姉はみるみる元気を取り戻していった。
十数年後、甥っ子の話
そこから十数年が経ち、姉は結婚し、子供を授かった。
そんなある日、姉が久しぶりに実家へやって来て、こんな話をしてくれた。
甥っ子が、ある日突然こう聞いてきたのだという。
甥っ子「ねえ、お母さん。チーズって猫、知ってる?」
姉「えっ、お母さんチーズの話ししたっけ?」
甥っ子「してない。チーズから聞いたの」
姉「え、チーズから?」
甥っ子「チーズね、今ここにいるよ。帰って来たんだって」
詳しく聞いてみると、チーズは亡くなったとき、神様にこうお願いしたのだという。
「姉と一緒にいたい」
それなら修行をしなさい、と神様に言われ、チーズは10年間の修行をしてきたのだそうだ。その場所では1年が10年にあたるという話を聞いたとき、頭の中に浮かんだのは、ドラゴンボールの「精神と時の部屋」とカリン様だった。
そうしてチーズは修行を終え、姉のもとへ帰って来た。
姉自身にチーズの姿は見えないが、気配は感じるという。
甥っ子には姿が見えるようで、色々な相談やアドバイスをくれるらしい。
甥っ子も、姉もまた、少し不思議な感性を持つ人だ。チーズにまつわる話は他にもあるけれど、それはまた機会があれば書きたいと思う。
チーズは今も、家の守り神として姉のそばにいる。
あの日、姉を支えてくれた一匹の白猫は、今も形を変えながら、家族を見守ってくれているのかもしれない。
信じるか、ファンタジーとして読むかは、読んでくださった方に委ねたい。😊



チーズはお姉さんに会うために生まれてきてくれたのかもしれませんね..
とっても感動しました✨ 私も愛猫がいて、いとこがいろいろ感じとる人で共通点があり驚いています✨また記事楽しみにしています😊
https://substack.com/@stackaicreator/note/c-304544252?r=8bzsny
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