あの夏の記憶⚾️
これは、小学校最後の野球大会の話です。
自分は4番でキャッチャー、チームの中心選手でした。でもその大会の成績は散々で、一本のヒットも打てずにいました。
普段の監督は本当に怖い人でした。でもぶっきらぼうな態度の裏で、誰よりも優しく寄り添ってくれる人でもありました。
練習や試合の日、友達はみんな家族と一緒にご飯を食べている中、片親で仕事が忙しい自分の母親は、応援にはいつも来ることができませんでした。
隠れるようにおにぎりを片手に一人で食べていると、監督は何も言わず隣に座り、一緒に昼を食べてくれたりしました。
その優しい気持ちに応えたくて、自分はどんなに練習がキツくても野球を辞めずにいられたんだと今は思う。
そんな監督との、今でも忘れられない場面があります。
小学校最後の大会準決勝、6回表ワンアウト満塁。
自分たちのチームは3点差で負けていて、攻撃側だった。打順が自分に回ってきた。
正直、打てる気がしなかった。体は小刻みに震え、その震えを抑えるのに必死だった。
バッターボックスに入っても震えは止まらず、全身ががたがた震えていた。
応援に来ていた父兄の声が聞こえてきた。
「今日、たろちん調子悪いから交代した方が良いんじゃない?」
そりゃそうだよな、と思いながら、震える体を抑えつけるようにバットを構えてバッターボックスに立った。
ピッチャーが投げてくる。
「ストライク!!」
審判の大きな声にビクッとなった。
そのすぐ後、監督が「タイム!!」と声をあげた。
「たろちん!こっち来い!!」
監督は自分の肩を思いっきり掴み、小さな声で、でも力強くこう言った。
「たろちん、打てなくても良いんだよ。俺はお前を交代するつもりはない。お前が打てなくて負けるのは良いんだよ。何も考えず、お前らしくいつも通り思いっきりバット振ってこい!!」
そう言って監督は俺の背中をポンッと叩いて押してくれた。
その瞬間、震えは止まった。俺はバッターボックスに立った。
ピッチャーが投げてくる。先ほどとは違い、ボールがしっかり見えた。
次の球。俺は思いっきりバットを振った。
ベンチから大きな歓声があがる。真芯でとらえた白い球は校舎まで飛んでいった。満塁ホームランだった。
その次の回を抑え、俺たちは決勝戦まで勝ち上がった。決勝はあっさり負けたけれど、自分にとってこの試合は生涯忘れられないものになっている。
あれから何十年経った今でも、あの日のことを忘れたことがない。
今でも監督は、俺にとって理想的な大人だ。



私の脳内再生ドラマに続きがあった。泣くわそんなの🥲✨️
大人じゃない。でももう子どもっぽく振る舞うこともできない。微妙な年代の小六。最後の試合のそんな絶好のチャンスに打席に立ったたろちん少年。それは震えるわ…奥歯ガタガタなるわ…。そのタイミングで監督さんは、たろちんさんのためにタイムの回数一回を使ったんですね。そしてそれで震えが止まるとかすごいパワー。頭の中でちゃんとドラマばりに再現Vが流れました。よい先生に出会えてますね😊ありがとうございました。