まれびと Vo.5
〜旅の途中〜
「まれびと」という言葉を追いかけながら、私は旅を続けてきました。
海の向こうからやって来る人。
AI。
変化。
与那国島で見た景色。
その一つひとつが、私の中にいくつもの問いを残していきました。
でも今振り返ると、本当に私を変えていたのは、その出会いだけではなかったのかもしれません。
旅は、動くことだけが旅ではありません。
本を読むことも。
誰かの話を聞くことも。
立ち止まって考えることも。
こうして文章を書くことも旅です。
そして、生きることそのものも旅なのかもしれません。
すべては、流れていく時間の中で起こる旅です。
今、この文章を書いている瞬間さえも旅の途中です。
時間は流れ続けています。
思考も、
想像も、
体験とともに流れ続けています。
だから、この記事も一つの結論ではありません。
その時、その場所で見えた景色と、今を記した、旅の途中の記録です。
以前、満月を見上げながら、こんなことを考えました。
私たちは満月を見ているようで、本当は変化を見ているのではないだろうかと。
新月から少しずつ満ち、
やがて欠けていく。
満月とは、その長い流れの中の一瞬につけられた名前なのかもしれません。
私たちが「今」と呼んでいる時間も同じです。
今という瞬間も、流れ続ける時間の中のほんの一瞬でしかありません。
すべては、グラデーションなのかもしれません。
旅も同じでした。
その場で終わる旅なんてありません。
大切なのは、体験したその後なのだと思います。
体験とともに時間は流れ、
時間は、その体験をゆっくりと熟成させていきます。
そして思考は、静かに発酵していきます。
昨日は見えなかった景色が、
一年後には違って見える。
同じ場所なのに、
違う世界が見えてくる。
旅とは、場所を移動することだけではなく、時間の中で、自分自身が変化していくことなのかもしれません。
こうして、旅を続ける中で、私の中には一つの流れが生まれました。
点
一人ひとりが、自分という中心を持つ。
線
人を思えば、手をつなぐ。
面
つながりが広がる。
立体
異なる視点が重なり合う。
円
土地を思えば、円になる。
循環
円は巡り続ける。
再接続
人と人。
人と土地。
人と記憶。
もう一度つながる。
再起動
そして、新しい旅が始まる。
最初、私は「まれびと」とは海の向こうからやって来る存在だと思っていました。
でも、旅を続ける中で、その景色も少しずつ変わっていきました。
海の向こうからやって来る出会いは、きっかけだったのかもしれません。
その出会いを、
時間が熟成させ、
思考が発酵させ、
新しい世界の見え方を育てていく。
だから今、私はこんなことを思っています。
もしかすると、一番身近な「まれびと」は、時間そのものなのかもしれません。
だから私は、これからも旅を続けます。
史実は、史実として尊重する。
口伝は、口伝として大切にする。
想像は、想像として正直に伝える。
その三つを抱えながら、
また新しい景色に出会いに行こうと思います。
今、この文章を書き終えた瞬間も、旅は続いています。
思考も。
想像も。
時間とともに流れ続けています。
だから、この記事も一つの結論ではありません。
その時、その場所で見えた景色と、今を記した、旅の途中の記録です。


